台湾烏龍茶について

台湾烏龍茶について


世界に名だたる烏龍茶の名産地・台湾。
最高の旬の一つ、春摘み茶シーズン真っ盛りの4月下旬おたより取材班は標高1,000m以上に広がる高山茶(こうざんちゃ)の茶園を中心に主要産地を訪問。
台湾茶の魅力と秘密を探ってきました。

 

台湾烏龍茶の産地
台湾には、南北に走る山脈があり、台湾烏龍茶はその山脈の様々な場所で作られています。
標高1000m以上の高地で収穫されるお茶は高山茶と呼ばれ、標高が高くなるほど、味と香りが良く、値段も高くなると言われています。




三寶堂で取り扱う台湾烏龍茶の産地
三寶堂は台湾の中部に位置する、阿里山・南投梨山・大禹嶺の茶葉を中心に扱っています。

高山烏龍茶として有名な阿里山・南投梨山・大禹嶺の茶葉は、標高1000m以上の厳しい環境で作られています。

その名山の美しい空気、綺麗な水、豊かな土壌のもとで育まれた味わい深く、香り高い高山茶を厳選しています。

台湾の高山茶(こうざんちゃ)とは?
主に台湾を南北に連なる3,000m級の中央山脈沿い、標高1,000m以上の産地で作られる烏龍茶のこと。南投県竹山鎮(杉林渓)、嘉義県阿里山郷、台中市和平区(梨山)などが主要産地。作付可能な土地が限られている上、高山特有の寒冷な気候により収穫量も少なく、希少な最高級品として知られています。


南国リゾートの爽やかな緑の烏龍茶

沖縄のさらに南の島国・台湾。近年、グルメや美術鑑賞、マッサージに温泉など、上質な大人のリゾート地として年間約130万人の人が訪問するなど、日本人にも大変親しまれています。

そしてお茶好きにとっては、魅力に満ちた烏龍茶産地が軒を連ねる、大切な土地の一つ。

お茶発祥の地、中国の一般的な烏龍茶の水色(すいしょく=カップに注いだときの色み)が茶色く焙煎を含めた風味と香気を味わうものであるのに対し、特に現代の台湾茶の主流は「緑の烏龍茶」、「清香(チンシャン)」などと呼ばれる爽やかな風味と香気、エメラルドや翡翠(ひすい)を思わせる青々とした茶葉の仕上げが特徴です。

約200年前に茶樹と烏龍茶の製法を台湾に伝えた本家である中国・福建省安渓などの産地にも、台湾独特の製法が逆に伝わって、大変な人気を博しています。

台湾烏龍茶の頂点 高山の茶葉を求めて
甘露のような甘み、可憐な花々を想起させる繊細な香り、いつまでも続くふくよかな余韻が爽やかな清風のように一体となった、誰もが夢中になる味わい。

考えるな!感じるんだ

標高2,500m 天上の茶園にて

台湾は九州よりすこし小さな島に、最高峰玉山(3,997m)をはじめ、富士山(3,776m)を超える高峰が10峰も南北に渡って連なる山岳国家。高山茶を始めとする多くのお茶産地は、これらの山麓に点在しています。

低地の湿った温かい空気と、山の寒冷な空気が交わり、霧や雲が沸き立つ。そこに南国の太陽光が優しく降り注ぐ、お茶にとって理想的な育成環境は、ダージリンやスリランカなど世界の名産地と共通しています。

ちなみに亜熱帯~熱帯に位置する台湾の森林限界は標高3,000~3,500m前後。寒さに弱い植物である茶樹も2,000m以上で育ちます。日本では標高600~800mが限界ですから驚くべき高度です。

「高山の産地は、製茶の時も冷房で強制的に温度管理する必要がない。自然な山の香りを心から味わってほしい」と陳さんは真剣な表情で語りました。

おいしいお茶には理由があります

こういったお茶に対する無数の手間と愛情の積み重ねが、台湾茶の高い品質と信用を守っています。

沿岸部に吹く海風が、山々で霧や雲となって森をうるおし、茶樹をはじめとする無数の生命を育む。高山茶をはじめ、台湾のすべてのお茶の香りや風味は、この島の自然環境のエッセンスであり、かけがえのない宝物なのだと、高山の薄い空気の中で、心の底から感じたおたより取材班でした。